ONEでは、小4の段階では理科・社会の授業は季節講習でのみ行っております。
多くの大手塾では、社会において小4時に地理の学習を行います。では、小5になって歴史の学習を始め、ある程度の期間が過ぎた段階で、地理の内容のテストをしたらどうなるでしょう? 一部の子を除くと、「せっかく覚えたのに、ほとんど覚えていない」という結果になります。
この時期に社会の内容を詰め込んでもたいていは忘れてしまうのです。せっかく覚えたことを忘れてしまう、そしてそれを責められれたりすれば、「覚える」ということに対してネガティブな気持ちが生まれてしまう危険もあります。
内容を覚えることはもちろん受験においては必要なことですが、それ以前に「覚えることに対するマインド」・「自分にあった覚え方」・「覚えたかどうかの適正な判断」などを身につけることの方がはるかに重要です。4,5年のうちにそれができてしまえば、標準的な中学受験レベルの社会の内容を覚えることは、さほど難しいことではありません。
今回の講習会では、2回の社会の授業を行いました。覚える題材を与え、一定の時間を与えて覚えてもらい、覚えたかどうかの確認を行うのですが、そう簡単に覚えられるものでありません。覚えたつもりがいざ確認してみると、覚えた記憶はあるものの思い出せない……というような状態になります。「もう一度時間が欲しい」ということで、再度覚える時間を与え、覚えてもらう。繰り返し声に出しながら覚えようとする生徒、何度も紙に書いて覚えようとする生徒など、さまざまですが、みな一生懸命覚えようとしていました。こういうことを繰り返す中で、「覚えるために何をするか」・「覚えたかどうか自分で判断するにはどうすればいいか」といったことを考えてもらいました。
ちなみに春期講習の授業で使用したプリントの内容については、忘れてしまっても何ら問題はありません。覚えるための行動が目的でしたので、内容は重要ではありません。
次に社会科の学習をするのは夏期講習になります。記憶することに対して苦手意識を持たぬよう、覚えるということに対する感覚・認識を育てていきたいと考えています。