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中学受験の国語、長文読解の頻出テーマに関する知識

医者でない我々は医学の専門書を読んでも理解は困難です。その本の読者として想定されている人(医者や医学生)が持っているであろう知識を持っていないためです。

つまり、文章を読み、その内容を理解するためには、前提となる知識が必要だということです。

中学受験においては、特定分野の専門知識がないと読めないような文章は出題されませんが、いわゆる一般常識レベルの教養を身につけていないと、読むのが困難だということはあります。

 現在約五〇億の世界人口が、毎年約二〇〇億トンの二酸化炭素を大気圏に廃棄している。私一人でも四トンほど廃棄している。私の生活そのものが何かの形でそれだけのエネルギーを消費しているわけである。

人類全体として、化石燃料依存のエネルギー戦略が行きづまっていることは目に見えている。それが市民ひとりひとりにさほど深刻に思われていないのは、犠牲を絶えず未来世代の人類に転嫁しているからだ。だから未来への責任という価値こそが、現在もっとも重要な意味をもっている。そのことを明らかにする学問として、「環境倫理学」というものがアメリカで発達してきている。

 環境倫理学は、個人の利益の総和が社会的利益であるという原理は不十分だと考える。「個人の利益」の中に未来の世代の利益が入っていないからだ。たとえば地球に現在一〇〇の石炭があるとする。そのうち六〇を現在世代が使えば、未来世代には四〇しか残らない。現在が豊かになればなるほど未来が貧しくなる。現在と未来をならして勘定したときに、最大多数の最大幸福を計算すれば、石炭は使わないほうがいいという結論がでる。人類全体の生存可能性を最大にするという価値は、現在世代の豊かさを最大にするという価値よりも、優先されなければならない。地下資源については、客観的埋蔵量にたいする年間使用量の割合が少ない資源の方に利用の中心を移していかなければならない。

                                   (加藤尚武氏の『世紀末の思想』より。)

上記は実際の中学入試で出題された加藤尚武氏の文章からの抜粋です。この文章を理解するためにはいろいろなことを知っていないといけません。

大人にとっては、「石炭が化石燃料であり、火力発電などで大量に使用されていること」・「化石燃料を燃やすと二酸化炭素が発生し、人類が生み出した大量の二酸化炭素が地球温暖化の原因となっていること」などといったことは常識と言えることでしょう。この文章を読んで理解するためには、そのぐらいのことは知っていなければなりません。

しかしながら、小学生にとっては必ずしもこれは常識ではありません。お子様の日常生活で「石炭」を使用することなどありません。昔は石炭ストーブなどというものもありましたが、今やそんなものには日本ではまずお目にかかれません。「石炭を燃やすと、二酸化炭素が発生し、それが地球温暖化の原因になる」などということは、あらかじめどこかで知識として身につけておかなければならないのです。

ONEでは、入試国語の長文読解で取り上げられる文章の頻出テーマに関わる知識ついて、5年次から少しずつ身につけていってもらいます。まずはそのテーマに関する基本的な知識を説明した上で、テーマに関わる文章を読んでいきます。実際に文章の中で基本的な内容を確認し、繰り返し読んでもらうことで、読解の前提となる知識を少しずつ深めていってもらいます。

環境問題は受験の最頻出テーマです。本日の授業では、「生態系」に関する文章を扱いました。実は「生態系」という言葉はすでに読んだことのある文章の中にも登場していたので、その際にピラミッドの図を描いて説明をしたのですが、ほとんどの生徒はそのときの話を覚えていました。もっとも、いざ「では、生態系とは何か?」と問われると、上手く説明できる生徒はごく少数でしたが。一度聞いたぐらいでは、知識というものは定着しません。

時間をかけて「生態系・生物多様性とは何か」・「現代において生態系についてはどのようなことが語られているか」・「生態系に大きなダメージを与えている外来種問題とは何か」といったことについて説明を聞き、さらには文章を読みながら、理解を深め、知識として身につけていってもらいます。

 

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