2月26日に小4の算数の3回目の体験授業を行いました。前回までは,番号がついたものの個数の数え方についての授業を行っていましたが,今週は植木算について授業を行いました。
前回までの,「番号がついたものの個数の数え方」の授業では次のような問題を扱いました。
(例題)
番号を書いたボールが下のように並んでいます。
⑩⑪⑫…⑳
ボールは全部で何個ありますか。
この問題の正しい答えは11個なのですが,なんとなく20-10=10個と考えてしまうお子様が多いです。番号と個数の結びつきを考えて,引き算を使おうという発想は正しいのですが,それだけでは不十分です。
今回の,「植木算」の授業では次のような問題を扱いました。
(例題)4本の木をまっすぐな道にそって10mおきに植えました。はしからはしまで何mになりますか。
この問題の正しい答えは30mなのですが,なんとなく10×4=40mと考えてしまうお子様がほとんどです。10mの個数を考えようという発想は正しいのですが,それだけでは不十分です。
ここで注目していただきたいのは,間違えてしまったお子様もいい加減な行動をしているのではなく,考えているということです。考えてはいますが,それが不十分なだけです。ここで重要なことは、直感的に考えたことについて、絶対に否定をしないということです。当の本人からすれば「考えている」にも関わらず、「きちんと考えなさい」というような言葉でそれを否定されてしまうと、何をすればよいのかわからなくなってしまいます。お子様方は「考えていない」わけではなく、知識や経験の不足などのために、考えが至っていないだけなのです。こういった場合には頭ごなしに否定をしないことが大切です。
どちらの問題についても,直感だけで答えようとすると間違えてしまうことを指摘した上で,正しく答えるには,図を描いて問題文に書いてあることを整理することが有効であることを説明しました。
小学4年生の段階では考える問題については正解を出すことは重要ではありません。答えを出すことにこだわると,「よくわからないけれど,こうすれば答えが出る」という行動になりがちです。こういった癖をつけてしまうと今後の学習で大変な苦労をすることになってしまいます。そうではなく,時間をかけて構いませんので,自分が何をやっているのかについて納得をしながら,一つ一つ丁寧に考えを進めていく練習をしなければいけません。このような目的がありますので,体験授業の素材としては難易度が高いテーマを扱っています。答えが出るか出ないかにかかわらず,その問題を扱う上で意味のある行動をとることができるようになること,これが当面の目標です。
もしかすると,お子様にこちらの意図が十分に伝わらずに,「正しい答えを出したのに〇をつけてもらえなかった。」と言われることがあるかもしれません。それには,こういった理由がありますのでご理解ください。