今回の授業では引き続き、「人体」の単元を扱いました。「人体」の単元の中でも、今回は「全体循環」の内容に焦点をあてて説明していきました。
「全体循環」の内容において、覚えてもらう知識は今までの「消化・吸収」の単元や、化学分野の「水溶液」よりも少ないものとなっています。その代わり、今回の内容は説明された言葉をきちんと理解できなければ混乱してしまう内容が含まれています。
具体的には、動脈・静脈、動脈血・静脈血をきちんと理解できているのかがポイントとなります。まず、動脈・静脈は流れている血液の方向で血管を分類分けしたものであり、動脈血・静脈血は血液に含まれる酸素・二酸化炭素の量で血液を分類分けしたものです。したがって、動脈・静脈と動脈血・静脈血との関連性はありません。つまり、動脈なのに静脈血が流れている箇所や静脈なのに動脈血が流れている箇所が存在するわけです。
生徒たちには、動脈・静脈の説明後に全身の主な血管を動脈と静脈に分けてもらう作業をしてもらい、動脈血・静脈血の説明後に全身の主な血管に流れている血液を動脈血と静脈血に分けてもらう作業をしてもらいました。このとき、名前が似ているため混乱し、間違った分類分けをしている生徒もいましたが、最終的には全員納得する形となりました。
今回のように、理科という科目ではどうしても知識を入れる作業が多くなってしまいますが、頭を使えばわざわざ一対一対応で覚える必要のない部分では、頭を使い行動してもらうことで、覚える知識を少なくするとともに、理科という科目の学習においては記憶作業のみならず頭を動かすことも必要になるということを認識してもらいたいのです。その認識を持たないと、今後難しい物理の単元や天体の単元を扱うときに頭が止まってしまったり、受験問題でよくある理科の問題のように見えて算数の問題であったりした場合に、対処が出来なくなってしまうことがあると考えています。したがって、今後も理科の授業において頭を使った学習をできる機会には、おおいに活用できるように努めていきたいと思います。