今回は植木算を使って授業をしました。
この単元は「物(数字)と物(数字)」・「間」をどのように認識してもらうかが重要な単元です。
自分が直感的に式をたて、計算したものが上手く正解につながらない単元なので、注意深く行動することが生徒にも教える側にも求められます。
【例題】
木の本数が10本、木と木の間の距離が2m、木は一直線上に並んで立っている。一番端の木と木は何m離れているか。
初めてこの種類の問題を見た場合、直感的に10×2=20mとすることが多いです。こう答えた生徒に対し、大人は往々にして「もっと考えなさい」と言ってしまいがちです。しかし、このように答えた生徒は間違っているけれど「考えていない」わけではないのです。自分なりに考えたのに「考えていない」と決めつけられてしまう経験を繰り返すと、「考える」ということがどういうことなのか、わからなくなってしまう危険があります。
10×2=20mと考えた生徒は、自分なりにしっかりと合理的に考えています。ただ、情報の整理が不十分で至っていないだけなのです。
冒頭に書いた通り「物(数字)と物(数字)」・「間」をどのように生徒に認識してもらうかが重要です。先ほどの間違いは、自分が取り扱っている数字が、物の情報なのか、間の情報なのかをきちんと把握した上で行動できていないことに起因します。つまり計算の前に文章が正しく読めていないのです。
算数が苦手な生徒の場合、往々にして計算をすることにばかり意識が向いてしまい、文章に書かれた数字をいきなり操作してしまいがちです。これに対し、できる子たちは文章を正しく把握することが上手です。大事なことは、問題文を正しく読み解くということです。当たり前と言えば当たり前のことなのですが、小学生の間にこの認識を持たせることは容易ではありません。
意識を変えるための手初めとして,今回は,図を描いて確認することで自分の認識が誤っていることを自覚してもらい,状況を把握するために問題文を読み取る必要性を感じてもらいました。