現在、小学5年生の授業は「植物」の基本的な内容を扱っています。
光合成は「水と二酸化炭素」を原料とし、光のエネルギーを利用することによって「養分(でんぷん)と酸素」を作り出すことと理解できれば良いと思います。
たまに、「二酸化炭素を酸素に変換する作用」とだけ認識している生徒がいます。間違ってはいないのですが、これでは、本質的な学習としては失敗だと考えます。
授業中に「呼吸」の働きと「光合成」を比較し認識している生徒もいました。これは、とても良いことですが、じつは受験において、この部分を正しく認識していないと痛い目にあいます。植物も他の動物と同様に「常に」呼吸を行っています。誤認識している場合、
「光合成をしている」=「二酸化炭素を酸素に変換している」
「呼吸をしている」=「酸素を二酸化炭素に変換している」
と考えていて、光合成か呼吸のどちらかしかしていないと思っている場合があります。これは笑い話で済まない場合があります。学生バイトなどが講師をしている場合、本気で間違っている場合がありますし、もっと言うとバイトでなく、正社員ですら間違っている場合があります。
理科の場合、非常に膨大な範囲の内容を身につけることを要求されます。一概に上記のことを批判しているのでなく、自分自身も誤認識している内容が0とは言えません。中学受験の理科は、極端な話ですが、大学受験より、膨大な内容とともに、些末な内容まで問われることがあります。些末な内容に関しては、多少の誤認識はあって良いと思いますが、重要項目に関しては誤認識をしないように注意する必要があると思います。
そのため今回の授業において、
「光合成の働きとは、二酸化炭素を消費し、酸素を排出する」ではなく、
「光合成の目的は「養分(でんぷん)を作り出すこと」であり、呼吸と1対1対応するものではないことを、何度も反復して説明しました。
5年生の授業では、「どう認識したら良いか」という思考とともに「知識の定着」も徐々に進めていきます。これは4年生の時とは異なる点です。ただ、5年生の授業は始まったばかりなので、あまり定着にこだわりすぎる必要はありません。人は忘れる生き物です。
「忘れることは自然であり、忘れたものを思い出し、覚えなおすこと」
この繰り返しが当たり前だと認識することが、重要な学習なのだと考えます。焦らずゆっくりと定着を図ってまいります。前回までに扱った「単子葉・双子葉」の単元も含めて、確認プリント等を用いて、思い出す行為を促し、知識を定着してもらえるように努めていきます。