5年生の社会の最大のテーマは「記憶」についての正しいスタンスを身につけること。言い方を変えれば「覚えることを覚える」ということです。
本日は二つのテストを行いました。
一つ目は「都道府県テスト」。全国47の都道府県の場所と名前を完璧に覚えたかどうかをチェックするテストです。前回の授業で初めてテストを行い、覚えられていないものについては「次回までに完璧に覚えてくるように」と指示をしましたが、全員が完璧に覚えきれているわけではありませんでした。
おそらく前回のテスト終了後に間違いを直し、その場で覚えたつもりになっていたのでしょう。しかし、一度で覚えきれる量は7±2個程度ですので、都道府県を一気に覚えることは相当に難しいことです。しかも、仮にその場で覚えられたとしてもあくまでも一時記憶であって、長期に持続する記憶ではありません。一週間の中で家庭で何回か復習する必要があったのですが、まだそこまで意識ができなかったようです。次回までに完璧に覚えてくるように再度指示をしましたので、覚えることに対してしっかりとした行動がとれたかどうか、次週もテストを行い、確認させていただきます。
もう一つは前回までの授業で説明した「米作り」に関するテストです。
先週までの授業で「米を作る過程」・「食糧管理制度と減反政策」・「米作りのさかんな場所」といったテーマについて説明をし、それをノートにまとめてもらいました。「食糧管理制度」のような小学生にとっては難しいと思われる話もしっかりと聴いて、理解できていました。では、今日のテストができたのかと言えば、全問正解できた一名のお子様以外は、正答率50%前後とふるいませんでした。なぜ、そうなったのかと言えば、ストーリーは覚えているが、「用語(名前)」を覚えていなかったということです。「1960年代ぐらいから日本人がパンなどを食べるようになったためにお米があまるようになったために、国は農民にお米を作る量をへらすために、田んぼで米を作らずに他のものを作らせたりした」というようなお話は頭に残っているのですが。「食の洋風化」・「減反政策」・「転作」といった用語を忘れてしまっているのです。
一度だけ見た映画のストーリーは覚えているが、登場人物の名前は覚えていない……というような状況と似ています。社会という科目においては、ストーリーを覚えていても、名前を記憶しなければ点数は取れません。ストーリーの理解は名前を覚えることの助けになることはあっても、それだけで名前の記憶ができるわけではありません。名前を覚えるためには、「反復」と「確認」が必要です。
今回のテストで、名前を覚えることとストーリーを理解することとのギャップを意識できたと思います。「用語(名前)をしっかりと覚える」ためにどのような行動が必要かを把握してもらうために、テストを利用してアプローチをしていきます。