4年生としての授業も今週と来週を残すのみとなりました。
現在は5年生になる準備期間と言えます。あいさつ、話を聞く姿勢、表記の丁寧さ、演習に取り組む姿勢……など、これまでよりも一段階要求を厳しくさせていただいております。
今日は「授業前、および休み時間に声をたてないように」という話をしました。中学受験まであと10日、6年生が最後の追い込みの学習をしているところです。4年生の授業を行っている教室の隣で自習をしている6年生がいます。授業前の時間や休み時間に、4年生が楽し気に談笑していれば、それが6年生の集中をそいでしまう可能性があります。
「塾は勉強のために来る場所。今は最後の追い込みに取り組んでいる6年生のことを考え、少し気を遣って静かに休み時間を過ごすようにしよう」という話をしました。
4年生のお子様にとっては、本当は6年生の受験は関係のないことなのですが、6年生の今の状況を想像し、納得してくれていました(この話はきっと隣の部屋の6年生にも聞こえるでしょう。以前は楽しく談笑していた4年生が「6年生に気を遣うように」と言われ、実際に静かに過ごしているという状況があれば、6年生にも何らかのメッセージとなるでしょう)。
授業の後半では前回配付した「生態系」についての文章を引き続き扱いました。→ 前記事
「生態系というのは非常に微妙なバランスのもとに成り立っている。不用意にここに手を加えると、取り返しがつかないことになる。しかしながら、考えの足りない人間によって外国から生物が持ち込まれ、その外来生物が野生化し、生態系が破壊されるということが繰り返されている。」
この一段落を理解するためには、知らなければいけないことがいろいろあります。
もっとも重要なのは「生態系」という概念についてのイメージをしっかり持っていることですが、それ以外にも「不用意」とか「取り返し」といった言葉の意味を知っていることや、「外来生物」・「野生化」ということばについても意味を考えられることは必要でしょう。
前回は「生態系」について時間をかけて説明をしたのですが、今回もまた「生態系」についての説明にかなりの時間を費やしました。「生態系」について先週扱ったということはみな覚えていて、ほとんどのお子様が自分では「生態系」がどういうものかを理解しているつもりだったのですが、実際にことばでの説明を求めると、多くのお子様はうまく説明ができない状態でした。何となくわかったような気がしたのでしょうが、「クリアな状態」にはなっていなかったということです。そこでもう一度、時間をかけて「生態系」について説明をし、また他のことばについての説明を加えつつ、文章冒頭の一段落を読んでもらいました。
文章の筆者が、読者が生態系についてよく知っていることを前提に文章を書いているのであれば、まずはその条件を満たしてからでなければ、文章の正しい読解などできません。雑な読みとりが癖にならないよう、最初はしつこいぐらい丁寧に文章を読んでもらおうと思っております。