2024年12月20日
「うちは難関校を狙っているわけではないので、そんなにハードに勉強させなくてもいいんです」というような話を聞くことがあります。
もっともなことを言っているように思われるかもしれませんが、ここには大きな問題があります。
難関校というのがいったいどのあたりの学校を指すのかはっきりと定義できるわけではないのですが、便宜上、大手塾の模試の偏差値60以上を難関校と呼ぶことにしましょう。偏差値45とか50という学校を難関校だと考える人はほとんどいないと思います。
しかし、我々はこのような考え方には大きな問題があると考えています。
偏差値50と聞くと、平均とか真ん中というイメージを持たれる方が多いと思います。そのため、「小学校で平均的な学力レベルにいる子は偏差値50ぐらいの学校に合格できる」などと考えてしまいがちなのですが、これは完全な間違いです。
中学受験をする生徒というのは、小学生全体の中の何%程度でしょうか。地域による格差はかなりあるのですが、最も比率の高い東京都の場合でも20%には届きません。偏差値50というのは、この20%未満の受験をする生徒の中の平均ということになります。
この20%未満の受験をする生徒たちは、ほぼ全員が受験のために進学塾に通い、塾通いをしない小学生では考えられないような学習を行っています。小学生全体の中では相当に上位の学力を持った集団と考えられるでしょう。偏差値50というのは、この「小学生全体の中では相当に上位の学力を持った集団」の中の平均的学力を示す数値なのであって、平均的な学力の小学生のレベルとは大きく異なります。
平均的な学力の小学生にとって、偏差値50の学校は十分に難関校なのです。