12月16日の授業報告です。
現在、「文化」をテーマにした文章を扱っています。
今回の授業では、日本と外国の文化を比較しながら、日本の文化的特徴について論じた文章を読みました。
具体例が多く挙げられた文章なので、一通り目を通しただけで「だいたいこんなことを言っている」というイメージをつけることは難しくはないかもしれません。こういう場合、一度の通読で「もうわかった」という気になってしまうのですが、そんなに簡単にわかるものではありません。
文章を理解するための前提知識を確認した後に、段落ごとに読み進めてもらいました。一段落読み終えるごとに立ち止まり、立ち止まったところまでの内容を確認し、また「この後、これについて書かれるはずだ」などという予想をたてながら読み進めてもらったのですが、読み進めていくと一人の生徒から以下のような質問が出ました。
「第一段落の〇行目に書かれていたことと、この段落で筆者が言っていることが矛盾しているんですけど、どういうことですか?」
確認してみると、確かに「矛盾している」と感じられるような記述があります。前の部分の内容をしっかりと頭の中に留めつつ、ていねいに文章を読んでいたからこそ、「矛盾」が気になったのです。これはとても素晴らしいことだと思います。
実は本当に矛盾しているわけではなく、その段階でもう一度本文をよく読み、じっくりと考えれば、「矛盾なく解釈するためにはこの部分はこういう意味に解釈しなければいけないんだ!」ということに気づけるのですが、しかし、そもそも矛盾に思い当たらず、さらっと読み流してしまっている人がほとんどでしょう。読めていると思っていた生徒たちは、この質問を聞いて「確かに矛盾している」と感じ、自分が矛盾に気づかなかったことに気づかされ、読みに甘い部分があることを意識できたようです。
読めていると思った文章でも実は読めていないということがあります。どこまでいっても100%の理解などということはありえないので、何度読んでも読めていない部分、理解できていない部分はあるはずです。簡単に「読めた」・「わかった」などと言うことはできないのだと思います。
ていねいに文章を読むという感覚を持ってもらうために、今週から「文章を読む」宿題を出させていただきます。詳細についてはここでは述べませんが、週に2日ほど文章を読む練習をしてきてもらいます。