大手塾に通われている方から「1月校について複数校受けるよう塾で進められたが、受ける意味があるのでしょうか?」というご相談を受けました。「1月受験」については以前にも書いているのですが、志望校について具体的な検討に入っている今の時期にふさわしいテーマですので、あらためて記事にさせていただきます。
「試験慣れのために」という目的で、埼玉や千葉の学校を1月中に受けるということは、中学受験においては広く行われていることです。多くの大手塾は「受けるのは当たり前」というスタンスのようで、個人面談において「〇〇中と△△中を受けるといいですよ」などとお勧めされることは珍しくないようです。
ONEにおいては、1月受験をされる方は多くありません。1月受験にはメリットもあれば、デメリットもあります。メリットがデメリットを大きく上回るのであればぜひとも受験するべきでしょうが、デメリットはけっして小さくありません。
デメリットをいくつか列挙してみましょう。
① 結果が悪かった場合(不合格の場合)、受験に対してネガティブな気持ちになる可能性が高い。気持ちの立て直しができなかった場合、2月の入試にマイナスの影響が出るリスクがある。
② 結果が良かった場合、それで安心してしまい、学習姿勢が無意識のうちに緩んでしまう可能性がある。
③ たくさんの人が集まる試験会場に行くこと、混雑した電車への乗車など、インフルエンザ等への感染リスクが高まる。
これらのデメリットはけっして小さいものとは言えません。1月受験にはこのようなリスクがあることをわかっておく必要はあると思います。進学する(手続きする)つもりのない学校を受けて、上記のような状況に陥ったのでは、いったい何のために受験をしたのかということになってしまいます。試験慣れということであれば、12月までに模試で経験を積んでいますし、1月に入っても過去問を利用して本番同様の経験をさせ、疑似的に合否を体験させることも可能です。
もちろんデメリット超えるメリットがあるのであれば、1月受験を積極的に考えてみる価値はあると思います。ONEで過去に1月受験をした方の場合、たとえば以下のような意図で受験をされた方がいます。
・埼玉の学校が第一志望である。
・寮のある学校を志望している。
・都内の学校の入試結果が思わしくなかった場合は、埼玉の学校に進学する。
・埼玉の学校の合否次第で、都内の学校の受験パターンを決める。埼玉の学校が受かれば、手続きをした上で都内の学校は強気に受験していく。埼玉の学校に不合格になった場合は、2月に確実に合格が見込める学校を組み込む。
これらは単なるお試し受験ではなく、合格したら手続きをしたり、進学したりするということも考えての受験です。もちろん「試験慣れ」のために受験をされた方もいないわけではありません。
1月受験にはメリットもあれば、デメリットもあります。その点を十分にわかった上で受験をするか否かを判断するべきものだと思います。