「国語が苦手だ」という中学生の保護者の方からのご相談がときどきあります。
中学生の場合、主要科目といえばまずは英語や数学ということになり、国語は3番目という位置づけになることが多いせいでしょうか、ご相談に来られるのは中3になってからというケースが多いです。そこまでは英語や数学を中心に学習しているのですが、受験を意識する頃になり、あらためて見直してみると「国語が……」ということになるのではないかと思います。
もっとも中1、2の時期には国語が苦手だということにはっきりと気づくことはなかなかに難しいかもしれません。学校の定期テストでは、必ずしも国語力、とりわけ読解力を測ることができるわけではないからです。
定期テストでは授業で扱われた文章が取り上げられ、授業において説明された内容について問われます。授業中に先生の説明をよく聞き、その内容をしっかりと記憶することができていれば、自力で文章を読むことができなくても得点を取ることができます。定期テスト対策を中心に行う学習塾では、その文章についての予想問題や過去問(同じ試験範囲で過去に中学校の先生が出題した問題)を配付し、繰り返し練習をさせるというようなことも行われます。このような定期テストで得点をとるための学習をしっかり行えば、それなりの得点はとれます。しかし、点数がとれたからといって、読解力があるとは必ずしも言えないのです。
記憶に頼って定期テストで高得点をあげている生徒の場合、模試を受けたり入試問題の演習を行ったりしたときに、全く通用しないという状況に陥る可能性があります。しかし、模試や入試問題演習を実施する中3の後期になって「読解力を何とかしたい」と思っても、受験までに間に合わせるのは残り時間的には非常に厳しい状況になります。
中1,2の段階においては、教科書の文章を初めて読む際に、的確に内容が把握できているようであれば大きな問題はないかと思います。自分で読んだ際には何が書かれているのかよくわからず、授業を聞いてようやく「そういうことか」と納得するという状態であれば、読解力不足であるかもしれません。
ただ、読解力に問題があるという場合でも、その原因はひとつではありません。原因が異なれば、対応も異なります。気になることがございましたら、学習相談等は随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。