ONEの授業では、説明を聞きながら板書をノートに書き写すという作業は行いません。これはすべての科目に共通です。板書を写しながらしっかりと話を聞くなどということは小学生には困難です。
まず教師の説明をしっかりと聞いてもらいます。説明の際、教師はポイントになるキーワードや最低限の説明をホワイトボードに板書します。しかし、生徒が説明の最中にノートに書くことは禁止にしています。
説明が終わった段階で、「今、説明された内容をノートにまとめなさい」という指示をします。生徒たちはたった今聞いた説明を反芻しながら、ノートにまとめていきます。意味ある形で話が聞けていない場合は、ノートにうまくまとめることができません。
今回の社会の授業では、稲作について学びました。「食糧管理制度について、その制度の内容と成立した理由」、「戦後に起こった食の洋風化、その後の減反政策」、そして「食糧管理制度の廃止に至る歴史」などについて、説明をした後、ホワイトボードに書かれた内容をすべて消し、その状態で「今の内容をノートにまとめて」と指示をしました。ほとんどの生徒はしっかりと理解しながら意味ある形で話が聞けていたようで、しっかりとノートにまとめることができていました。
二人ほどうまくまとめることができていない生徒がいました。話を聞くときに漫然と聞いている様子だったので、意味ある形で話を聞けていないことはわかっていたのですが、こういう場合「話をしっかりと聞きなさい」と注意しても、本人は聞いているつもりなので、注意された理由がわからないなどということになります。
なので、説明の際にはあえて注意をせず、話を聞けていない状態を作り、「ノートにまとめる」段階で、話がしっかりと聞けていなかったことを認識してもらうようにしました。
説明を聞き、その後にまとめるということを繰り返す中で、話を聞く精度を少しずつ高めていきます。