・英語の文章を「書ける」ようになること。
・英語の文章を「読める」ようになること。
・英語を「話せる」ようになること。
・英語を「聞ける」ようになること。
中学校では、上記の4つのことを目的に授業が進められます。
しかし、ONEの授業では「書ける」ようになることを目的に指導を行っていきます。
入試や学校のテストにおいて、「書ける」能力が求められる自由英作文や英訳問題の配点は高くありません。テストで点をとるためなら長文読解のような「読める」能力が求められる問題が出来たほうが効率的です。また、将来のことを考えると「書ける」ことよりも「話せる」「聞ける」ことの方が就職試験などの場面では有利な条件になるでしょう。では、なぜ「書ける」ことを目的に据えて授業を行っていくのかを説明いたします。
「読める」とは当然、他人が書いた文章を「読む」ことになります。その文章とは極端に言うと「書き手にとって都合の良い文章」になるわけです。英語を習いたての初心者が英文を読む際には、英語という母国語でない言語をルールにしたがって解析しなければならない上、書き手の都合(書き手の心情や主張など)も考える必要があります。日本語の文章であれば、ルールを意識して解析するということはなく、書き手の主張や心情をくみ取ることに集中して文章を読めます。しかし、英語の文章を読む場合は、これらを同時に処理することが求められ、初心者に大きな混乱を招く可能性があります。この同時処理の難しさが英語を「読む」ことの難しさです。
これに対して、英語の文を「書く」際には、自分の都合で「自由に」文章を書くことになります。ただし、ここにおける「自由」とは「何も気を付けずに好き勝手に書いていい」という意味ではありません。英語を書くためのルールに従い、「そのルールの上で自由に表現していい」という意味です。なので、いくら内容的に伝わりそうなものを書いたとしても、ルールに反していたら英文として認められません。この「ルールの上で自由に表現すること」ができるようになることを目的として、授業をスタートしていきます。また、「話せる」「聞ける」も最初の目的には据えません。なぜなら、会話においては話し手と聞き手がお互いに意図をくみ取り合い、ルールに反した英語を話しても通じてしまう場合があるからです。
ここまで「書ける」を目的に据える理由を説明しましたが、受験までには「読める」を目的に据える時期も来ます。その際には、「書ける」ようになるための学習で培った能力を用いて「読める」ための勉強をしていくため、初めから「読める」ための勉強のみをするよりは英語そのものを認識しやすくなっています。残念ながら、「話せる」・「聞ける」を直接的に教えることはありません。しかし、「読める」ようになる頃には相当の演習を積んでいるため、大分話せるように、聞けるようになっているでしょう。なので、まずは「書ける」を第一優先に英語を学んでもらいます。