ここ数回の授業で、計算演習以外に「おむすび探偵団」というゲームをやってもらっています。親役が選んだ4種類のおむすびの配置を、探偵役が推理し当てるというゲームです。
ルールを簡単に説明すると、以下になります。
①親役が4種類のおむすびを隠して配置
②探偵役が自分の推理したおむすびを並べて、親役に判定を依頼
③親役はヒントカード(おしんことお茶)を提示。
おしんこ:選んだ具も配置も合っている
お茶:選んだ具は合っているが配置が違う
④ヒントカードを手掛かりに、②と③を繰り返しおむすびの具と配置を推理する。
おむすびの具は、本来7種類あります。4年生にとって7種類だと難度が高く、このパズルの推理法である、着眼する部分の発見と思考ができずに当てずっぽうゲームになってしまします。今回は、選べるおむすびの具を5種類に制限して推理を行ってもらいました。
このゲームを率先的に取り入れている理由は様々ですが、「眼前にないものを見る」癖がつけられる点が非常に大きいです。「余事象」と「記憶(一時記憶)」を意識できるようになると思って頂けると嬉しいです。
「余事象」
具体的な例を出して説明すると、5種類の具(梅、昆布、鮭、塩、たらこ)の中から以下のように並べたとします。
梅・昆布・鮭・塩(お茶3枚)
この時の思考で重要なのは「選んだ4個の中に3個正解がある」ではなく、「選んでいない1個は絶対に正解である」という考え方です。大人になると「外側」や「余り」について意識を払うことは容易ですが、子供のうちは非常に難しい視点になります。しかしこの視点を持つことは、あらゆる学問において大切な目線なので、ゲームを楽しむ中で意識をするきっかけを作っています。
「記憶(一時記憶)」
1回目に得られたヒントを活用し、2回目を推理し、さらに1回目、2回目のヒントを基に3回目は推理をしていくことになります。つまり、当たるまで、事前に得た情報を統合的に扱うことになります。これは、否応なく一時記憶をせざる負えないものです。算数で最も大切な思考法が、このようなパズルには隠されています。
その他にもおむすび探偵団を通して得られる意識は多岐に渡ります。機会があれば説明させていただきます。今後も丁寧に授業を進行してまいります。(算数科:池田)