前回の「他塾生の学習・転塾相談について①」の続きとなります。
前記事にて、学習相談の目的は「解決すべき問題を明らかにすること」であるとお伝えしました。学習相談で明らかになる「解決すべき問題」の多くが以下の内容になります。
1.学習姿勢ができていない
これは学習環境による影響が大きいです。塾における教師や生徒の在り方によって、生徒の学習姿勢は大きく左右されます。宿題を提出するのが当たり前という空気のある環境では、ほとんどの生徒が宿題を提出します。授業中も、周囲が真剣であれば、それが当たり前となり、自然と学習姿勢も整っていきます。逆もまた然りで、塾の環境がお子様の学習姿勢にマイナスの影響を与えることもあります。
2.宿題が機能していない
宿題の扱い方は、学習成果に直結する非常に重要な要素です。宿題は、「授業で扱った内容の中核」となる部分の確認作業です。次回の授業を理解するうえで必要な内容であるとともに、受験問題を解くうえでもとても重要なものとなります。
以下の点が特に重要です。
・宿題の丸付けを誰が行うのか
・間違えた問題への対応方法
・宿題の徹底度合い
これらを塾側がシステムとしてどの程度管理しているかが、生徒の習熟度に大きく関係してきます。
3.教師と相性が合っていない
これは非常に難しい問題です。相性は実際に授業を受けてみないとわかりません。また、子どもは相性が良いと感じていても、勉強・学習として相性が良いとは限らず、必ずしも学習成果につながるとは言えないこともあります。さらに、相性の良い教師が見つかったとしても、クラス変更などで教師が交代してしまえば意味がなくなってしまいます。教師との相性は、ある意味「運」に近いものかもしれません。
4.基礎的な内容が習得できていないにもかかわらず“受験問題”に取り組んでいる
これは、あらかじめ決められたカリキュラムに沿って授業が進められる場合によく見られます。カリキュラムが決まっていると、教師の裁量で授業を変更することはできません。そのようなケースでは、生徒の理解度に関係なく授業を進めざるを得ません。
何か月か後に復習的に、同様のテーマを扱うことによって解決をはかるカリキュラムもありますが、積み重ね科目では、認識不足のままで先の授業を受けることになり未消化になることが考えられます。こうしたことが重なることで、最終的に「基礎的な内容が不十分なまま受験問題に取り組む」という状態に陥ってしまうのです。
以上のような問題を、
1.現在、どのような問題があるのか=「現在の塾」
2.どのような解決策があるのか=「塾探し」
3.どの解決策を選ぶのか=「入塾」
というステップで整理・解決していくことをご提案しています。
ここで注意しなければならないのは、「良い塾が見つかった=志望校に合格できる」のではないということです。これは、あくまでも合格の可能性を高めることでしかありません。とはいえ、現状に不安や不満があるのであれば、他の塾と比較し、相対評価をすることでその不安や不満を明確にし、解消するべきだと思います。そうすることで、迷いなく学習に集中できるようになります。
保護者の不安や疑念は、子どもの学習姿勢や意欲に大きな影響を及ぼします。中学受験は、お子様にとって大きな負担がかかるものです。だからこそ、できるだけ効率よく学習ができる状況を模索していただけたら幸いです。
ONEでは、入塾の勧誘は一切行っておりません。現状に問題がなく、現在通われている塾に通い続けた方が良いと感じられた場合は、転塾を勧めることはありませんし、ONEよりも相性が良さそうな塾があると判断した場合は、そちらの体験授業をおすすめすることもあります。
その際、「入塾を断られた」と受け取られてしまうこともありますが、決してそのような意図はありません。むしろ、多くの方に入塾していただきたいという思いがあります。
しかし、受験においては「時間の無駄」が最も大きな損失につながることを私たちは知っております。あくまでお子様にとって最善の選択ができるよう、上記のスタンスでご提案差し上げております。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。