「うちの子は本を読まないので、語彙が足りず、そのために国語の読解ができない」というお話をよく聞きます。確かに読書好きのお子様は語彙が豊富であり、文章の読解が得意であるケースが多いということは言えると思います。
今回の記事では、豊かな語彙を身につける方法としての「読書」について、述べさせていただきたいと思います。
最初に「読書好きのお子様がどうして豊かな語彙を身につけられるか」という点について説明させていただきます。
読書好きのお子様であっても、本を一冊読むという場合、そこに意味のわからない言葉が出てこないかと言えば、そんなことはありません。では、意味のわからない言葉に出くわした時、どうしているか。読むのを中断し、辞書を引いたり、誰かに質問したりなどということをするケースは稀でしょう。多くの場合、「たぶんこんな意味かな」と見当をつけながら本を読み進めていきます。そして、本の中で繰り返しその言葉に出会った際に「やはりこういう意味だったんだ」と確信したり、「あれ、さっきは勘違いしていたみたいだな」という形で理解を修正したりしながら読み進めているはずです。読書好きなお子様は、こういうことを繰り返しながら、言葉の知識を蓄積しているケースがほとんどです。
読書好きのお子様は、このような経験をたくさんすることにより、多くの言葉のイメージを自然に身につけていくことができるのです。
では、読書をしないお子様が語彙力を強化するにはどうするべきなのでしょうか。
読書をしないお子様を「読書好き」にすることができれば問題は解決しますが、これは簡単ではありません。「語彙を身につけるために読書しなさい」などと言って、無理矢理に読書を強制したら、書物を読むことに対するマイナス感情が強くなり、将来、自ら本を前向きに読むようになる可能性をつぶしてしまうことになるかもしれません。
読書については、
➀ お子様が読みたい本はどんどん与える。
➁ 読みたくないものを強制しない。
この二つが非常に重要だと考えます。「読書」の強制は、マイナスしかないと思います。強制せずにお子様を読書に向かわせる方法がないかと言えば、有効な方法がないわけではないと思いますが、これについては別の機会に書かせていただきます。