記事の中で繰り返し書かせていただいておりますが、5年の社会の授業のテーマは「覚えることを覚える」です。
内容を要領よく覚えさせることを優先する場合と、覚えるための方法を身につけさせることを主眼とする場合とでは、アプローチの仕方が異なります。
今週実施したテストは以下のものです。
この表の内容につき、先週の授業で学習し、「一週間で覚えてきなさい」という指示を出しました。
工業地帯・工業地域をそれぞれ4つずつ、名前と場所を覚え、それぞれを代表する工業都市とさかんな産業を覚える。特に工業都市とさかんな産業については、今回初めて扱った内容ということもあり、これを一週間で完璧に覚えるというのは簡単ではありません。
本日の段階で、全てパーフェクトに正解できたお子様はいらっしゃいませんでした。左の2列(工業地帯・地域の名と都道府県名)については完璧に正解できていた方も多かったのですが、一番右の列については、うろ覚えの状態でテストに臨まれた方が多くいらっしゃいました。
定着が完璧でないことをあらかじめ承知していて、授業前の時間にプリントを出して学習をしようとしていたお子様が何名かいらっしゃいましたが、これについては「今は勉強してはダメ」という形で、学習をストップさせました。直前に学習すると、一時記憶力に優れたお子様だと、容易に満点を取れたりします。テストで満点を取ることが目的なのであればそれでよいのでしょうが、それでは記憶を定着させるための行動を身につけることができません。
テスト後に答え合わせを兼ねて、覚えるべき事柄をホワイトボードに書き、「ホワイトボードを見ながら書き写すのではなく、一列の内容を覚えた後に思い出しながら書きなさい」と指示をし、もう一度まとめてもらいました。まとめた段階で「もう覚えた」と思ったお子様が多かったのですが、その後、口頭にて質問をすると、「もう覚えた」と思った知識が思い出せないという状況になるお子様もいらっしゃいました。
「もう覚えた」という感覚的な判断は、甘くなりがちです。覚えたかどうか、必ず確認をする必要があります。「覚えたかどうか」を自分の感覚で判断せず、チェックを行うということが重要になります。
次週、もう一度同じテストを実施する旨を告知し、「しっかりと覚えてくるように」と指示を出しました。学習の仕方について、「こんなやり方もある」という紹介はしましたが、必ずしもそのやり方である必要はありません。ただ、覚えたかどうかのチェックをすることは必須です。それを実行できるかどうか、来週のテストで確認をし、必要なアプローチを行っていきます。