小4の授業においては、前半の1時間は科目の枠にとらわれず、さまざまな作業に取り組んでもらっています。計算練習や「国語エクササイズ」という演習プリント、パズルや記憶練習など、頭を鍛えること、行動原理を身につけることを目的とした複数のワークを行っています。これらについて、少しずつ紹介していきたいと思います。
本日は「記憶練習」について書かせていただきます。
本日の授業では、以下のプリントを配付し、5分間で記憶してもらいました。
人間がごく短い時間で記憶できる記憶は7±2個などと言わていますが、関東地方の都道府県はちょうど7個。まずは都道府県の名前を覚えてもらい、都道府県の名前を覚えたら県庁所在地を覚えてもらいました。
これは都道府県と県庁所在地を覚えてもらうことを目的にしたエクササイズではありません(もちろん、覚えたら得ではありますが)。短時間に集中して覚える練習です。ただ眺めているだけではすべて漢字で覚えるということは難しいかもしれません。声に出してみるということが覚えるために有効になることもありますし、書いてみるのが一番手っ取り早いということもあるかもしれません。このあたりは個人差があるので、どのやり方がベストであるなどということは決められません。こういう練習を繰り返す中で、こうすれば覚えるという方法を探ることが重要です。
「たぶん大丈夫、覚えたと思う」と申告があったお子様には、確認用のプリントを配付し、覚えたかどうかを確認するテストを実施しました。まだ完璧には覚えるには至りません。みな覚えたつもりでいましたが、いざテストをすると、1、2箇所「あれ? 何だったけな」となる箇所があります。全く覚えていないわけではないのですが、いつでも思い出せる状態にはなっていないということです。ですから、答え合わせをしたときに、例外なく「ああ、そうだった!」という反応をします。ある程度「覚えた」段階で「もう大丈夫」と判断してしまい、「いつでも思い出せる」状態に至っていなかったということです。
覚えるための方法、覚えたかどうかを自分で判断する方法など、記憶練習を通じて、少しずつ身につけていってもらい、記憶の精度を上げていってもらいます。
なお、ここで覚えたことは、忘れてしまっても構いません。いずれ完璧に覚えてもらわなければならない時期は来ますが、今は内容を覚えることではなく、どうすれば覚えられるかを模索する時期です。また、忘れてしまうということも貴重な経験になります。人間は覚えたことを必ず忘れます。もし忘れてしまったら反復すればいいだけです。
忘れたことを責められると、「忘れてしまう」ことに罪悪感を持ってしまい、それを繰り返すと、覚えること自体にマイナス感情を持ってしまいます。そうなったら、最悪です。「忘れることは悪いことではない」と思えるようになることは、とても大切なことです。