小4の授業においては、毎回「国語エクササイズ」というプリントを使ったトレーニングを行っています。このトレーニングは日本語に対する感覚を身につけてもらうことを目的にしています。
前記事で取りあげた「てにをは」の使い方はその一つです。
現在、国語エクササイズでは「てにをは」の他に、接続語の習得をテーマにしています。
接続語の学習というと、一般的には以下のような形で行われることが多いと思います。
(1) 接続語を意味・用法に従って分類する。
① 順接 ②逆説 ③ 並立・添加 ④対比・選択 ⑤説明・補足 ⑥ 転換
上記のような分類を示され、ぞれぞれに該当する接続詞を紹介される。
(2) 穴埋め練習を行う。
① 昨日は強い雨が降った。( )遠足は中止になった。
② 昨日は強い雨が降った。( )遠足は予定通り行われた。
③ 昨日は強い雨が降った。( )強い風も吹いた。
上記のような空欄を含む文に接続語を補充する。選択肢から選んで答えさせることが多い。
どちらの方法も扱う時期ややり方次第ではありますが、一定の効果はあると思います。しかしながら、初学の段階では、もう少し別のアプローチがあるのではないかと考えます。実際に接続語を使って文を書かせ、間違ったら修正し、それを繰り返し音読させるというような方法です。
私たちは「だから」や「しかし」といった接続語をきわめて感覚的に使い分けています。「だから」という言葉を使う際に、「ここまでに原因となることを述べて、これからその結果となることを述べるから順接の接続語である『だから』を使おう」などと考えることはありません。「だから」や「しかし」といった言葉を何度も耳にしたり、目にしたり、口にしたり……という経験を重ねる中で、感覚的に使い方を身につけたのです。接続語が正しく使われたセンテンスを何度も耳にし、感覚が身についてくると、接続語が誤って使われている文を耳にしたときに「気持ち悪い」・「不自然」・「なんかヘン」と感じるようになります。こういう感覚を身につけることが必要です。
次の写真は2週間前の授業で扱った国語エクササイズの一部です。2週前の段階では、お子様たちは「また」「さらに」「そのうえ」ということばの使い方に習熟していなかったので、何を書けばいいのかわからないという状態になったり、うまくつながらない文を答えたりしていました。そこで、例をあげて使い方を説明し、その後に正しい文を何度も口頭で答えてもらいました。
翌週の授業でも同じような問題を扱い、今週も同じテーマの問題を出しました。下の写真が今週の問題です。
今週はとまどうこともなく、スムーズに文を書くことができていました。書いただけではなく、書いた答えを音読してもらい、耳から入れるれということをしてもらっています。接続語に限らず、ことばの使い方を単純に知識として覚えるというのではなく、正しい使い方を感覚として身につけるということを目指して、エクササイズを行っていきます。