入試直前の準備 その2
都内私立中入試まであと一週間を切りました。受験生および保護者の方も徐々に緊張が高まってきているかと思います。
この時期に新しいことや難しいことにチャレンジすることは基本的にはありません。生徒たちはすでに志望校の問題で合格点が取れるだけの実力はついています。
ただ、第一志望校に関しては簡単に合格点がとれるわけではありません。過去に学習した内容に関する問題にすべて正解できれば、第一志望といえども間違いなく合格できます。しかし、「学習した」からと言って、100%完全にできるというわけではありません。うろ覚えで、学習したという記憶はあるがはっきりと内容を思い出せないということもあるでしょう。想起ができないという状態です。直前期はそういった内容を洗い出し、定着させることが肝要になります。
理科や社会の知識分野については、この直前のブラッシュアップが非常に重要です。もちろんそれで10点も20点も得点が上がるわけではありません。1点、2点、どんなに多くても5点以内といったところでしょう。しかし、たとえ数点でも合格ライン付近にいる生徒にとっては大きな意味があります。1点でも足りなければ不合格になる入試においては、直前の学習で定着させたことでとれる1点が勝負を分けることもあります。生徒たちは、自習時間において過去に学習した内容の確認プリントをやり、忘れてしまったことを発見し、それを覚える。わからなくなっていることについては質問をする……ということを行っています。
みな1点をもぎとるために、合格の可能性を1%でも大きくできるよう、学習に打ち込んでいます。合格に向かって進んでいることは間違いありません。
もちろん受験ですから不合格になる可能性もあります。不合格になることは怖いことですが、その恐怖を引き受ける覚悟は必要です。これはお子様だけでなく、保護者の方や教師にも必要です。恐怖から逃げるのであれば、「受験はしない」という選択肢しかありません。
お子様の中には相当に緊張が高まっている方もいます。緊張は悪いことではありません。緊張しすぎて行動が普段通りできなくなってしまうことが問題なだけで、逆に緊張感が全くない、リラックスしすぎた状態の方が問題でしょう。緊張をコントロールするための方法についてもお話ししておりますが、その練習をするのも残りの期間の課題になります。