小4の国語の重要なテーマのひとつは、文章を読むことに対してネガティブな姿勢を作らないということです。
読んでも全く興味が持てない文章や、意味がわからない文章を与えられ続けたら、文章を読むことは苦痛でしかなくなります。「次の文章を読んで、後の問いに答えなさい」などという形で、読みたくもない小難しい文章を与えられ続けたら、文章嫌いになることは無理のないことです。
国語の学習のスタートにおいては、「楽しく文章を読む」という経験を重ねることが重要だと考えます。楽しいからこそ、頭や心をフルに動かして文章を読み進めるという、読解の土台ができるのです。
ONEにおいては、学習のスタートの段階では、理解可能かつ楽しく読める文章を心動かしながら読むという経験を積むことを目的に授業を行います。
ここまでに、イソップ童話(『アリとキリギリス』・『金の斧、銀の斧』……など)や『裸の王様』、『カチカチ山』などの有名なお話を扱ってきました。生徒たちの中には「読んだことがある」という子もいるのですが、「読んだことがある」からといって「もう読みたくない」となることはありません。逆に安心感を持って読み進めることができます。
これらのお話は子供向けに書かれたもので、ストーリーを理解すること自体は決して難しいものではありません。長く読み続けられてきた作品だけあり、面白いという感想を抱く生徒がほとんどです。これらの作品を子供時代に読んでおくことは、基礎的な教養としても必要なことでしょう。
本日の授業では『ハーメルンの笛吹き男』を読んでもらいました。「これは実話をもとに作られたお話だよ」ということを話した後で、文章を読んでもらいました。
読後に「こわい」とか「どういうこと? 不思議」といった感想を述べる生徒もいますし、「どこが本当で、どこが作り話か」ということを分析している生徒もいます。みな、それぞれに頭と心を動かして文章を読み進め、文章の世界を楽しんでくれていました。
春期講習においても、楽しく文章を読むという経験を積んでもらう予定です。