高校受験においては、受験の方法は下記の4種類になります。
(1)都立推薦入試
(2)都立一般入試
(3)私立推薦入試
(4)私立一般入試
このうち、(1)・(3)の推薦入試において内申点が大きな意味を持つことはご存知かと思います。これについては、特に説明はいたしません。
(2)や(4)と内申点の関係について、具体的に述べさせていただきます。
(2)の都立の一般入試の場合、内申点は合否に大きな影響を与えます。内申と当日の試験の比重は3:7ですから、当日の試験で周りの受験生を圧倒できるだけの高得点を取れれば逆転も可能でしょうが、そう簡単ではありません。一般的には、やはり志望校に応じた一定レベルの内申に到達していないと、合格を勝ち取ることは難しいと言えるでしょう。
(4)私立一般入試を目指すのであれば、内申点は無関係だろうと思われるかもしれませんが、必ずしもそうは言いきれません。
確かに私立一般入試の場合、内申が合否に与える影響は微々たるものです。3科目の学力をしっかり高めておけば、オール3ぐらいの成績でも、難関校への合格は可能です。しかしながら、私立一般入試をメインに考える場合も、内申を無視できない状況があります。それは確実に合格できる抑えの学校の選択に関してです。
高校受験の場合、全滅は許されません。どこか必ず合格を取らなければなりません。その際、中学校の先生は「併願」というシステムの利用を勧める傾向が強いです。「併願」とは、一定の基準を満たせば、第一志望の受験生でなくても優遇するという仕組みです。このとき「一定の基準」として採用されるのは内申です。一般に「併願」の基準となる内申は、「推薦」の基準となる内申よりも数ポイント高めに設定されています。内申がよくない生徒が併願を利用しようとした際に、基準を満たせる学校は、多くの場合、狙っている学校のレベルからは相当に離れた、積極的に進学したいとは思えない学校になってしまうケースがほとんどです。
内申の思わしくない生徒が第一志望、第二志望の私立高を一般入試で受験する場合、抑えに併願で意にそわぬ私立を受けるということを余儀なくされることが多くあります。しかし、こういった受験をした場合、もし第一・第二志望を失敗すると、あまり進学したくない「併願」受験をした学校に進学することになってしまいます。それは避けたいので、第一・第二志望のレベルを下げて受けるということをする受験生も皆無ではありません。
こうした場合、よりよい選択はできないものでしょうか。考えられる方法はいくつかあります。
ONEの中学部の過去の合格実績を見ていただくと、埼玉県の学校に合格しているケースが複数あります。埼玉県の私立高校は東京都の私立高校と推薦や併願等の仕組みが違います。たとえ内申が悪くても、模試の成績次第で併願を受けてもらえることがあります。内申が悪くても、学力があり、模試で高得点が取れるのであれば、埼玉の学校で併願を取ることは可能です。埼玉の入試は都内の入試よりも早い時期にありますので、ここで合格をもらっておくことで、都内の入試には思い切ってチャレンジできます。
実際に過去の卒業生で埼玉の学校を受験した生徒の例を紹介しましょう。
その生徒は都内の私立難関受験校を志望していましたが、内申が思わしくないため(ほぼオール3)、学校では「今の内申で合格できそうな都立高校」への志願変更を進められました。その選択では納得ができないということで、模試の結果を持って埼玉の学校に足を運び、併願での合格の見込みが高い城西川越を受験し、合格をもらった後で都内の学校は強気にチャレンジするという選択をしました。結果、都内の私立は錦城(特進)・城北・成城という難関校に合格しています(錦城の特進コースに進学)。
内申の思わしくない生徒の受験、中3からの受験勉強のスタートというようなケースでは、日々の学習によって学力を高めることは当然必要ですが、受験校の選択等に対してのプランニングが重要になります。受験校に対するプランにより、学習の方向性も変わってくるので、ここは非常に重要です。
ONEでは、学習面のサポートだけでなく、受験校の選択に関しても、できるかぎり生徒やご家庭の希望を考慮した上で、ご相談させていただいております。