お子様に中学受験をさせたいと考える保護者の方にとって、受験勉強の入口となる「塾選び」は非常に大切な仕事になります。ここでの塾選びは今後の学習、成長に大きな影響を与えます。受験勉強の出口である志望校選び・受験校選びと同様の意味合いがあると言っても過言ではありません。
お子様に「合う塾」と「合わない塾」は確実に存在します。以下のようなことをよく考慮した上で、慎重に塾選びを行うことが大切だと思います。
①お子様の特性
お子様の学習に対する意欲、学習姿勢、成長の具合、能力の特性によって選ぶべき塾は当然異なってきます。塾の指導について説明を聞き、それがどんなに素晴らしい内容だったとしても、お子様の特性に合わない塾であれば成果を出すことはできません。
②保護者の方の希望
これにはさまざまなものがあります。具体的に「〇〇中学に絶対に入れる」と最初からお決めになっていらっしゃる方もいます。もし、そうであれば、「〇〇中学に合格者を出している塾」の中から選ぶということになるでしょう。ただし、①で述べたように、お子様の特性とのマッチングは考える必要があります。
また、受験を通じてお子様に身につけてほしいことが何かということも重要な要素です。たとえば、受験勉強を通じて、「自分で学習に向き合えるようになってほしい」と思われるのであれば、「家庭学習は保護者の方が見てあげて下さい」というスタンスの塾は合いません。
お子様にはやりたいことをやらせてあげたい、とにかくのびのびと育てていきたいという場合と、厳しくても自分を律して行動できるようになってほしいと思われる場合では、選ぶべき塾は異なってきます。受験勉強を通じて、お子様にどのように成長してほしいかということは、スタート段階でじっくりと考えておくべきテーマだと思います。
上記のような点を十分に検討した上で塾選びをすることが大切だと思います。これは実は学校選びにおいても全く同じです。どちらにおいても、お子様の特性とのマッチング、ご家庭の希望・方針とのマッチングが非常に重要になるのです。
唯一違いがあるとすれば、学校選びと違って、塾選びの場合は、入塾後に合わないと感じたら転塾をすればよいということでしょう。ただ、なるべくなら最初の段階でマッチングする塾を選びたいものです。あせって塾を決めるのではなく、少し時間をかけてじっくりと比較検討されることをお勧めします。
「未習単元ができてしまう」という理由で入塾を急かされる場合もありますが、この時期の未習単元などさほど気にする必要はありません。もし本当に「未習単元ができる」ことが大問題なら、5年生からの入塾など受け入れられなくなってしまうからです。とにかくあせらずにじっくりと時間をかけて塾を検討することが大切だと思います。