文章を読んでいて、わからない言葉に出会うことは当然あります。
本日は「ブラックバスによる淡水生態系の破壊」について書かれた文章を扱いました。文章の中には以下のような語句が使用されています。
淡水魚・生態系・外来種・在来種・繁殖・渓流・駆除・不用意・安易
これらの言葉は、今後も繰り返し他の文章で登場しそうな言葉やテーマ的にぜひ覚えておきたい言葉です。これらについては先週の授業で意味の説明をしていました。本日の授業ではプリントを使用して、テスト形式でこれらの語句の意味の確認をしましたが、ほぼ完全に覚えていた生徒は数名で、他の生徒は2~3つ、記憶のあいまいなものがありました。一度さらっと説明を聞いただけであれば、そんなものでしょう。文章の中で繰り返しその言葉に触れることで、知識が定着していきます。
再度説明を加えた後、各自で文章を通読してもらいました。
ほとんどの生徒は「だいたいこんなことを言っているのだろう」ということはつかめていました。「生態系」というのが、どういうもので、それが現在どんな形で問題になっているかという話を何度かしており、すでに知識として頭の中に入っている状態なので、「たぶんこういうことが言いたいんだろうな」と予測しながら読めていたようです。
通読をしている際に、何人かの生徒から「これは何と読むのか?」・「これはどういう意味か?」というような質問が出ました。文章の大意はわかるが、わからない言葉が出てきたので、念のため確認しておこうということです。これは非常に重要なことです。わからない言葉に出会ったら放置しないで、その意味を確認する。これは語彙を豊かにしていくための積極的な行動であると言えます。ことばの意味をよく質問する生徒は、語彙が貧しいのではなく、むしろ語彙が豊かであるということが少なくありません。
通読の段階で、「読めない」・「意味がわからない」という質問が出るだろうと思われた言葉について、質問が出ない箇所がありました。文中に使用されていた「棲み分け」・「比較的」という語句は小学校では扱わない漢字を含んでいるため、読めない、あるいは意味がわからないという生徒もいるはずですが、これについての質問が出ませんでした。文章の大意が理解できたので、あまり気にならなかったのでしょう。受験本番であればそれでいいのですが、今は文章を読みながら、知識を増やしていく段階です。
読み終えた後に何人かの生徒を指名し、「これらの言葉が読めるか、意味がわかるか」を問いました。二つの言葉ともしっかりとわかっていたのは3名ほど。あとの生徒は「全く読めない」・「自分の読み方や解釈に確信が持てない」「『比較的』はわかるが『棲み分け』はわからない」のいずれかでした。他の生徒の前で指名され、質問をされることで、わからない言葉をそのままにしておいたことを意識できたようです。
文章を読んでいて読めない漢字や意味のわからない言葉に出会ったときは、必ず質問をすることが重要です。「これは何て読むの?」・「これはどういう意味?」と確認をするのです。「これは〇〇と読むの?」・「これは〇〇という意味ですか?」という質問ができればなおいいのですが、それはなかなかにレベルが高いことです。まずはわからない言葉を放置しないということができればいいと思います。日常生活においてもそれができれば、語彙を豊かにしていく機会が飛躍的に増えるでしょう。