あきらめる前にするべきこと

保護者の方との面談の際に「大手塾に通われている小4の方で、宿題が多すぎて、こなしきれずに受験を断念してしまった人がいる」というお話をうかがいました。こういったケースは決して珍しいことではありません。

確かに大手塾の中には、小4の段階からかなりの量の宿題を出すところもあります。それが大きな時間的負担となり、場合によっては精神的な負担や肉体的な負担につながることもあるでしょう。一般的な小4のお子様の場合、受験に対する高いモチベーションは持っていませんから、宿題は「やりたくないこと」です。これをやらせようと思ったら、強制力が必要です。大手塾の大量の宿題は、保護者の方が家庭学習を「やらせてくれる」ことを前提に出されていると言ってもいいと思います。

保護者の方がこの大量の宿題をお子様に強制力を発揮してやらせ続けた場合、お子様にはそれが大きなストレスになる可能性があります。もちろん、受験勉強はお子様がやりたいことだけやっていたのでは合格に至ることはできないのですが、モチベーションのない４年生の段階から、本来くつろげる場所であるべき家庭において、ホッとできない状況にお子様を置き続けることになるわけですから、お子様が精神的に疲弊したり、親子関係がぎくしゃくしたり……といった状況が生まれる可能性はあります。

受験勉強においては、時間的な負荷、精神的な負荷は絶対にかかります。しかし、その負荷をどの時期に、どのような形でかけるかということについては、唯一の正解があるわけではありません。塾によってそのあたりについてのスタンスは大きく異なります。

小4時であれば、現在通われている塾での学習の負荷が大きすぎて、いろいろなところに支障が出てしまったという場合は、受験自体を断念する前に、ちがう形で受験勉強を進めていく可能性を模索することをご検討されてはどうかと存じます。東京にはたくさんの塾がありますので、ご家庭の方針やお子様の特性に合う塾は必ずあると思います。複数の塾で話を聞いて比較し、良さそうだと思った塾の体験授業を受講し、入塾の可否を判断する。最初に入塾した塾でうまくいかなかったからといって、すぐに「うちの子に受験は無理」などと考えず、他塾を検討してみることをお勧めします。

塾選びは学校選びと共通していることが多いです。ご家庭の教育についての考え方やお子様の性格や学力特性とのマッチングを考えて選ぶということは同じですが、ひとつ決定的な違いがあります。学校選びはやり直しがきかないのに対し、塾は合わなければ転塾するという道があります。

ONEでは学習相談を随時受け付けております。他塾に通われている方でも、心配なことがございましたら、ご相談いただければと存じます。こちらから積極的に入塾等の勧誘をすることはございませんので、お気軽にお問合せ下さい。