現在、4人の6年生に国語の個別授業をお受けいただいております。3名は塾生、1名は他塾生で、国語が苦手だという方です。
塾生の場合は授業で扱った文章につき、その文章を理解するために必要な前提知識について確認をし、文章を再読。文章から読み取った内容につき説明させ、理解不十分な点については理解できない原因について説明を加えたり、意識をさせたりした上で、もう一度繰り返し読んでもらう……ということを行っています。まず授業時に文章を読み、個別の時間に同じ文章を二度、三度と再読し、さらに通常の授業においても繰り返し読んでもらっています。必要な知識を入れ、一文ずつ丁寧に読むということを繰り返し、「わかった」・「読めた」という感覚を実感してもらうということが一つの大きな狙いです。
「わかった」・「読めた」という感覚がつかめていれば、「わからない」・「読めていない」という状態を実感できるようにもなります。「わからない」・「読めていない」と感じられれば、その原因について「このことばの意味がわからない」とか「ことばの意味はわかるが抽象的で何を言っているのか認識できない」というようなことが考えられるようになります。前者であれば、ことばの知識を与えてあげれば文章の内容を理解できるでしょうし、後者であれば「どういうことなのだろう?」という意識を持ってその後の文章を読んでいけば、具体例などの説明があることに気づけるでしょう。こういう練習を繰り返し行っています。
他塾生の場合は、週に1回の授業時間しか指導することができませんが、この時間だけで成果を上げることは困難です。ふだん通っている塾で受けている授業を意味のあるものにするために、すでに授業で扱われた問題について文章を再読してもらったり、次に授業で扱う予定の文章をあらかじめ読んでもらったりということを行っています。
多くの塾では「25分で文章を読んで問題を解きなさい」というような形での問題演習が行われます。国語が得意な生徒であればこれでも良いのでしょうが、苦手にしているお子様の場合だと、ただひととおり文章に目を通し、「読めた」・「わかった」という実感のないまま問題を解くということになってしまう可能性があります。もし、そうなっているのであれば、問いを解く以前に「文章を読む」ということにしっかりと向き合い、「読めた」・「わかった」という実感を持てるようにすることが当面の目標となります。
現在、個別を受講されているお子様が通っている塾のテキストを拝見しましたが、良い文章がたくさん載っています。25分で文章を読んで問題を解いて終わり……というのでは、もったいない素材だと感じます。そこで個別の授業においては、「読めた」という実感が得られるように、再読してもらっています。
塾生の場合も、他塾生の場合も個別授業だけで完結するわけではないという点は共通です。
前期の個別授業については7月で終了となります。受講されている方につきましては、ここまでに学習の状況につき、面談時にお話しさせていただきます。