新6年生には「小学校では4月から6年生になるので、最上級生としての自覚を持ちなさいというようなことが言われるかもしれないけれども、ONEでは受験生としての意識を持ってもらうよ」ということを話しています。
中学受験も高校受験も大学受験も、受験であることに変わりはありません。したがって、小学生であっても、受験生である以上、年齢に関係なく受験生として意識しなければいけないことがあります。
今回は、「タイムリミットを守る」という意識を持つことの重要性について書かせていただきます。
「宿題を意味のある形で終わらせる」ということは価値のあることではありますが、受験ということを目的とした場合は、「タイムリミットまでに」ということを守れなければなりません。
中学受験のための勉強には、締め切りがあります。6年生の2月1日、つまり受験の日です。この日までにできるようになったことにのみ価値があるのであって、この日までに形になっていないことには全く価値はないのです。「あと一週間あれば」とか「あと三日あれば」というような言い訳は通用しません。「病気で一ヶ月入院していたので斟酌して下さい」とか「塾に入るのが遅くて未習の部分があるので、この部分については目をつぶって下さい」といったようなことは全く通用しないのです。
受験がないのであれば、「宿題をさぼること」についてわれわれは厳しく注意する必要もありません。いずれ宿題の意義について本人が気付くとき(それは明日なのか、中学生になってからか、高校生になってからか、あるいはずっと気付かないか……)まで待ってあげればいいことです。しかしながら、受験があるのであれば、ある時期までに「宿題をやること」を当たり前にし、「間違えたものを直すこと」や「わからないものは質問する」ということをできるようにしなければなりません。
われわれが与える課題は「ここからここまでやればよい」という範囲が明確に決まったものです。しかも量的に無理なものを要求しているわけでもありません。これをたとえば一週間というタイムリミットまでに終わらせられないということであれば、中学受験のタイムリミットまでに合格するために必要な学習を完遂することはできません。将来のタイムリミットを守るために、日々のタイムリミットをしっかりと守るということをクリアし続けていくことが必要になります。
しかしながら、これは生徒にとってはけっして楽なことでありません。物理的に無理な宿題ではなくても、精神的には「多すぎてできない」と感じることはありうることです。5年生のときに比べれば宿題の量は増えますし、質的にも負荷は上がっていきます。5年生のときの意識のままだと、意味のある形でタイムリミットまでに宿題を終わらせられない可能性もあります。ギアを上げなければいけないのですが、自分一人ではそれができないということもあるでしょう。
タイムリミットまでに宿題を意味ある形で終わらせられないという場合は、授業後に残って自習をする、あるいは授業日以外に塾に来て自習をし、質問をするということが必要になるかと思います。必要になった段階で授業後の自習、授業日以外に塾で自習するようにしていただければと存じます(いつから必要になるかという点については、個人差があります)。