小5の算数において、宿題を出す意図について書かせていただきます。
算数では4月から宿題を出しています。
お子様の宿題を見たときに空欄があると心配になって、つい手助けやアドバイスをしたくなるということがあるかもしれません。しかし我々は「空欄が出来る状態」にこそ価値があると捉えています。通常、宿題や勉強をするとき「答えを出すことを目的」としていますが、我々の目的は正しい答えを出すことだけではありません。
長くなりますので詳細を述べることは避けますが、我々は、生徒ができている問いについては「精度の高さ」を、できていない問いについては「解決に至るための行動がしっかりととれているかどうか」を見ます。それだけではなく、受験本番にまで通じる長期的な行動についてまで考慮して運用しています。宿題を通して、算数の内容だけではなく、受験生としての行動を徐々に身につけてもらいます。
宿題を出し始めた当初は、宿題を期日に提出してもらうことに、重きを置いておりました。なによりもまず宿題を期日までにやることを当たり前にしてもらうためです。
5年生の今の時期には基本の定着に対して多くの時間を割き、授業時間の多くを演習に使い定着に努めています。しかし、授業時間だけで定着させるのではなく、宿題によって「授業で学んだことを1週間かけて定着させてくる」ということを行うことにより、「受験まで」という時間を有効に使うことができます。
また、宿題には、生徒の負担軽減という側面もあります。ONEでは生徒がやってきた宿題は、教師が丸付けをし、間違えたものは直しをさせて再度チェック、わからないものや何回か直してもできないものについては質問をさせるということを徹底しています。これにより「できなかったもの」を意味のある形で解決させています。生徒にとってはたいへんだと思いますが、もし「宿題を出さない」あるいは「宿題は出すけれども丸付け、直し等は本人任せ」という形をとって同様な効果を上げようとするなら、何倍もの量をやらなければいけないでしょうし、何倍もの時間がかかると考えられます。
生徒が宿題に取り組むときには、何度も授業を思い返して基本の考え方を反復します。この行動をとることにより基本が定着し、九九と同じように当たり前のものとして扱えるようになります。また、結果的に問題の答えが出なかったとしても、それは質問に行くという行動を覚えることにつながっていきます。子供が宿題に取り組んでいるときには、答えまで到達していなくても、そのまま見守っていただけたらと思います。